心療内科とは
「現代はストレスの時代だ」と言われています。ストレスは、地震・水害・テロなどの非常に恐ろしいものから、日常生活のちょっとしたことまで非常にたくさんあります。心療内科は、このようなストレスが原因となったり、悪化要因となる、心だけでなく身体の様々な病気を扱っています。
ストレスが影響する病気はとてもたくさんあります。筑豊地区は高齢化が進み、一人暮らしや老夫婦だけの家庭が増え、病気になった時の心配は大きいです。また働き盛りも若い人も、子供までストレスがたまっているようです。
心身症(定義)
「心身症とは、身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし神経症やうつ病などの他の精神障害に伴う身体症状は除外する」(日本心身医学会:1991)
代表的な心身症
循環器系
高血圧症、狭心症(含心筋梗塞)、不整脈、低血圧症
呼吸器系
気管支喘息、過換気症候群、神経性咳嗽など
消化器系
胃潰瘍・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、慢性膵炎、呑気症など
神経筋肉系
片頭痛、緊張性頭痛、傾性斜頚、書痙など
内分泌・糖尿病系
糖尿病(コントロール不良例)、肥満症、バセドー病など
皮膚・泌尿器系
円形脱毛症、慢性じんましん、神経性頻尿など
その他
摂食障害、パニック障害、疼痛性障害、自律神経失調症など
ちなみに、生活習慣病は、すべて心身症です。
心身症ではないが、ストレスの関与が大きく、心理的ケアが必要な疾患
うつ病、不安障害、睡眠障害、身体表現性障害など
「心身症では?」と言って紹介されることがあるが、違う疾患
統合失調症、双極性感情障害(そううつ病)、神経症(ノイローゼ)、強迫性障害、人格障害、アルコールや薬物依存症、
これらの病気は、精神科を受診してください。
高血圧や胃潰瘍が心身症と言われると、?と思う方がいるかもしれません。
でも、降圧薬を飲んでも血圧が下がらなかった人が、安定剤で下がったことがあります。胃潰瘍の原因は、ピロリ菌と言われていますが、高齢者の大部分はピロリ菌を持っていたのです。でもストレスが大きくなければ潰瘍にはならなかったのです。ストレスが大きいと、なかなか食事療法をする気にならなかったり、運動習慣が続きませんよね。お酒の量も増えるでしょう。結果として生活習慣病は悪くなります。意志が弱いのではなく、ストレスのせいかもしれません。