ろれつが回らない、しゃべりにくい

舌が滑らかに動かないために話しにくく、言葉が不明瞭になることを呂律が回らないと表現されます。
こうした話し言葉の障害は、主に非流暢性失語症(ひりゅうちょうせいしつごしょう)や運動障害性構音障害(こうおんしょうがい)によって起こります。

失語症とは?

失語症とは、通常、左大脳半球の言語領域の損傷により言語を操作する能力が損なわれた状態です。話す・聴く・読む・書くのすべてに何らかの異常がみられますが、発話自体は流暢な場合とそうでない場合があります。多くの場合、右半身の運動麻痺や感覚障害を伴います。

構音障害とは?

構音障害は、舌やのどなどの構音器官の運動障害によって発語が不明瞭になった状態です。構音障害には、しばしば嚥下障害(飲み込みにくさ)を伴います。

原因は?

これらの症状は、高齢者では脳梗塞や脳出血によって起きることが多く、手足のしびれ、物を落としてしまう等の症状を伴う場合は可能性が高くなります。脳梗塞や脳出血は、頭部CTやMRI検査によって診断が確定されます。 その他に、頻度は低いのですが、小脳炎や脊髄小脳変性症、多系統委縮症、パーキンソン病、重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症といった病気も原因となります。舌自体が異常であるケースには、舌腫瘍の危険もあります。 ろれつが回らない、喋りにくいと感じたら、一体何が原因か、すぐに専門の医療機関を受診して、検査を受けておくことが、大切です。

治療法は?

原因に対して、薬物治療や外科的治療を行いますが、多少なりとも言葉の障害が残ることが多く、多くの場合は言葉のリハビリテーション(言語療法)が必要となります。