頭痛

「頭痛なんて薬を飲めば治るから」なんて思っていませんか?
実は大変な病気の危険信号かもしれません。
気になる症状があったら医師の診断を受けましょう!

頭痛は大まかに分けて、一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。

一次性頭痛

全頭痛の99%以上を占めます。
間違った治療で症状を悪化させたり、長引かせることがあります。
正しい診断を受け、正しい治療を受けましょう!

緊張型頭痛
最も一般的な頭痛で、両側頭の圧迫感や締め付け感で、軽度~中等度が多く、頭痛があっても動けなかったり仕事に出られないことはなく、生活に支障を来すまでには至りません。
痛みのメカニズムは分かっていませんが、肩こりなどの筋肉疲労、精神的疲労・ストレス・うつ等が関係すると考えられています。
治療は頓服薬(消炎鎮痛剤)。重症例では予防薬(筋弛緩剤、抗うつ剤、抗不安剤)を投与することがあります。
片頭痛
頭の片側がズキンズキンと拍動性に痛むことが多く、吐気や嘔吐を伴い寝込んでしまうなど日常生活や仕事に大きな影響を与えます。
頭痛の誘発原因は音や臭い、光など、食事性の誘発因子はチーズに含まれるチラミン、チョコレート中のフェニルチラミン、ホットドッグ中の硝酸ナトリウムなどがあります。
片頭痛は前兆を伴う型と伴わない型があります(前兆:頭痛の前に、きらきらした光・点・線が見えたり、ちくちく感やしびれなど)。
痛みのメカニズムは脳表面の血管拡張と血管周囲の神経由来の炎症と考えられています。
治療は頓服薬(消炎鎮痛剤やトリプタン)。月に数回以上みられる重症例では予防薬を工夫します。
群発頭痛
頭痛発作が集中的におこる群発期と発作のない寛解期に分かれるタイプが一般的です。
有病率は0.07~0.09%と稀な病気です。一側性に眼窩部、側頭部辺りが針で目を刺されたような激しい痛みで、涙、結膜充血、鼻閉、鼻水などの自律神経症状が現れます。
治療は頓服薬(トリプタン製剤)、酸素吸入。慢性化した重症例では予防薬を投与することがあります。

二次性頭痛(症候性頭痛)

頭痛自体より元の病気の治療が必要です。生命を脅かす可能性のある頭痛もあります!
二次性頭痛には、入院して外科的治療が必要なもの(クモ膜下出血、脳腫瘍など)、入院して内科的治療が必要なもの(髄膜炎など)、外来治療でいいもの(風邪からの頭痛など)があります。
二次性頭痛は生命に関わる病気も多いため、素早い診断が大切です。

以下は重篤な病気が隠れている場合があります。すぐに専門の医療機関を受診しましょう!!
  • 今までに経験したことのない頭痛
  • 痛みが急に強くなる
  • 痛みが次第に強くなる
  • 発熱を伴う頭痛
  • 手足のしびれを伴う
  • けいれんを伴う
  • 意識がもうろうとなる

薬物乱用頭痛

緊張型頭痛や片頭痛などの慢性頭痛をもつ方が、頓服薬を多用することでひどくなった頭痛です。
頭痛薬を月に10~15日以上使用している方は薬物乱用頭痛の可能性があります。
頭痛薬を多用する中で痛みに敏感になり、元々の慢性頭痛を一層ひどくしていることがありますので、医療機関を受診し、正しい薬の使い方の指導を受けましょう。

低髄液圧症候群

慢性頭痛で長年辛い思いをされている方の中で、実は腰や首などから髄液が漏れて脳や脊髄が引っ張られ頭痛が生じている病態があります。
髄液は脳や脊髄の周りを流れている液体で、脳は頭蓋骨のなかで髄液に浮いており、起立時に脳が下がり引っ張られ頭痛が生じます。

さらに詳しい情報をお知りになりたい方は

日本頭痛学会
http://www.jhsnet.org
頭痛オンライン
http://www.zutsu-online.jp/index.html
頭痛大学
http://zutsuu-daigaku.my.coocan.jp/

などがお勧めです。