頭痛外来

頭痛はよくある症状で、誰でもよく経験します。
頭痛は大まかに分けて、一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。慢性頭痛の大半は機能性の頭痛(一次性頭痛)で、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛、そしてそれらの合わさった混合性頭痛です。中には体質的素因(いわゆる頭痛もち)に加えて心理・社会的要因が強く影響しているものがあります。頭痛が続くと、脳出血や脳腫瘍などの重篤な病気ではないかという不安を感じられる方も多くおられます。

一次性頭痛:正しい診断を受け、正しい治療を受けましょう!

緊張型頭痛
最も一般的な頭痛で、両側頭の圧迫感や締め付け感で、軽度~中等度が多く、頭痛があっても動けなかったり仕事に出られないことはなく、生活に支障を来すまでには至りません。痛みのメカニズムは分かっていませんが、肩こりなどの筋肉疲労、精神的疲労・ストレス・うつ等が関係すると考えられています。治療は頓服薬(消炎鎮痛剤)。重症例では予防薬(筋弛緩剤、抗うつ剤、抗不安剤)を投与することがあります。
片頭痛
頭の片側がズキンズキンと拍動性に痛むことが多く、吐気や嘔吐を伴い寝込んでしまうなど日常生活や仕事に大きな影響を与えます。頭痛の誘発原因は音や臭い、光など、食事性の誘発因子はチーズに含まれるチラミン、チョコレート中のフェニルチラミン、ホットドッグ中の硝酸ナトリウムなどがあります。片頭痛は前兆を伴う型と伴わない型があります(前兆:頭痛の前に、きらきらした光・点・線が見えたり、ちくちく感やしびれなど)。痛みのメカニズムは脳表面の血管拡張と血管周囲の神経由来の炎症と考えられています。治療は頓服薬(消炎鎮痛剤やトリプタン)。月に数回以上みられる重症例では予防薬を工夫します。
群発頭痛
頭痛発作が集中的におこる群発期と発作のない寛解期に分かれるタイプが一般的です。有病率は0.07~0.09%と稀な病気です。一側性に眼窩部、側頭部辺りが針で目を刺されたような激しい痛みで、涙、結膜充血、鼻閉、鼻水などの自律神経症状が現れます。治療は頓服薬(トリプタン製剤)、酸素吸入。慢性化した重症例では予防薬を投与することがあります。

二次性頭痛:生命を脅かす可能性のある頭痛もあります!

二次性頭痛には、入院して外科的治療が必要なもの(クモ膜下出血、脳腫瘍など)、入院して内科的治療が必要なもの(髄膜炎など)、外来治療でいいもの(風邪からの頭痛など)があります。二次性頭痛は生命に関わる病気も多いため、素早い診断が大切です。

以下は重篤な病気が隠れている場合があります。すぐに専門の医療機関を受診しましょう!!

  • 今までに経験したことのない頭痛
  • 痛みが急に強くなる
  • 痛みが次第に強くなる
  • 発熱を伴う頭痛
  • 手足のしびれを伴う
  • けいれんを伴う
  • 意識がもうろうとなる
薬物乱用頭痛
緊張型頭痛や片頭痛などの慢性頭痛をもつ方が、頓服薬を多用することでひどくなった頭痛です。頭痛薬を月に10~15日以上使用している方は薬物乱用頭痛の可能性があります。頭痛薬を多用する中で痛みに敏感になり、元々の慢性頭痛を一層ひどくしていることがあります。

頭痛外来で行うこと

  1. 問診
    頭のどの部分が、いつ頃から、どの程度、どのように痛むのか、頭痛の頻度、前兆はないか、手足のしびれなど併存する症状はないか、内服薬の状況、などを細かくお尋ねします。
  2. 神経学的診察
    脳神経内科専門医により、頭のてっぺんからつま先まで、全身が神経学的に異常がないか、診察を行います。
  3. 血液検査、頭部CT検査、脳波検査など
    問診や神経学的検査の結果、必要に応じて、血液検査や頭部CT検査、脳波検査等を行います。
  4. 治療神経学的診察
    頭痛のタイプを診断し、適切な内服治療および生活指導を行います。

頭痛でお悩みの方は、お気軽に当院の頭痛外来へお越しください。