ボトックス治療

ボトックス治療とは

ボトックス治療とは食中毒の原因菌として知られているボツリヌス菌が作り出すボツリヌス毒素を痙攣している筋肉部位に注射し、痙攣、ピクつきを抑える治療法です。
眩しくて目が開けられない、目の周りがピクピクする等の眼瞼痙攣、顔半分が痙攣する、引きつれる等の片側顔面痙攣、頭部が傾く、頭を無意識的に回す等の痙性斜頸などがボトックス治療の対象になります。
神経から筋肉に伝わる部分に作用して筋肉の動きを弱めて効果を発揮します。1回の投与で2~4日で効果が現われ、2~4週で効果が最大となります。その後、徐々に効果は薄れていきます。
定期的にボトックス治療をすることによって効果を維持できます。
毒素を注射するというと、不安になると思いますが、しっかりとした講習を受けた資格のある医師のみが施行できる治療法ですので、安心してお気軽にご相談下さい。

眼瞼けいれん

眼瞼(がんけん)けいれんは、目の周りの眼輪筋(がんりんきん)という筋肉が、勝手にピクピクけいれんする病気です。
症状は、まばたきが増えたり、まぶしさを感じたりすることから始まり、症状が重くなるとまぶたが開かなくなって、目が見えない状態にまで進んでしまうこともあります。
まぶしい光やストレスは、これらの症状を悪化させます。症状の進行はゆっくりですが、そのまま放っておいて自然に治る病気ではありません。
多くの場合は次第にけいれんの回数が増し、日常生活や仕事に大きな支障をきたすことになります。
眼瞼けいれんは40~70歳の中高齢者で発症することが多く、男女の比率はほぼ1対2で女性に多くみられます。

片側顔面けいれん

片側顔面(へんそくがんめん)けいれんは、顔の筋肉が勝手にピクピクけいれんする病気です。
症状は、片方の目のまわりの軽いピクピクしたけいれんにはじまり、次第に同じ側の額、頬、口、あごなどへ広がっていきます。
けいれんの程度が強いと、顔がキューっとつっぱってゆがんだ状態になることもあります。また、けいれんの側に筋肉のマヒが生じてくることもあります。
通常は片側にみられますが、まれに両側にみられることもあります。
片側顔面けいれんは、40~70歳の中高齢者に発症することが多く、女性に多くみられます。蛇行した血管による顔面神経への圧迫と考えられています。

痙性斜頸

痙性斜頸(けいせいしゃけい)は、頸部、肩、背部の筋肉が収縮し、頭、首、肩などが不自然な形になってしまう病気で、頸部ジストニアとも呼ばれています。
症状は、頭部の回旋、側屈、前後屈や、肩挙上、側彎、躯幹のねじれなどが様々な組み合わせで出現しますが、安静・臥床により改善し、逆に精神的ストレス、運動、歩行などで症状が増悪する例が多くみられます。
痙性斜頸は、30~50代で発症率が高く、80%以上が50歳以前に発症しています。男女比は欧米では女性にやや多いとされていますが、日本では男性の方が多いと考えられています。